こんにちは、フリーランスエンジニアをしている、なおひこです。
当記事では、37歳未経験で製造業からエンジニアに転職し、2年半で平均年収以上を達成するまで何をしたかについてお話しします。
※平均年収は、国税庁の「令和5年分 民間給与実態統計調査」にある、平均給与460万円を参考にしています。
僕は元々新卒から製造業で働いていましたが、年収に不満があり、将来に不安を抱えていました。
そこで37歳からプログラミングを学び、エンジニアに転職。その後フリーランスエンジニアになって、年収を270万円→480万円まで伸ばすことができました。
※フリーランスなので正確には年商ですが、仕入れが無いので年収扱いにしています。
正直、「エンジニアになって年収1,000万円達成!」みたいなキラキラ系ではないですが、スキルなし37歳からでも収入を上げられるんだという実体験をシェアします。
過去の僕のように、「年収に不満を感じていて今の会社で働いていても改善できる希望がもてない。かといってスキルも無いから転職しても年収アップは無理そう。。。」といったモヤモヤを抱えている方の参考になればと思います。
製造業からエンジニアになるまでにしたこと
全体の流れとしては下記です。
- 独学でプログラミング学習する
- プログラミングスクールで学習開始
- フリーランスとして自分で仕事を受注
- IT企業に就職する
- エージェント経由でフリーランスになる
それぞれ詳しく説明します。
1. 独学でプログラミング学習する
最初はできるだけお金をかけずに勉強したかったからです。
使った教材は、無料から学べる学習サイトの「ドットインストール」と「プロゲート」。ただ全てのコースを受講するには有料課金が必要だったので、月に1,500円くらい必要でした。
プログラミング学習を始めた感想としては、、「めちゃくちゃ楽しい」でした。
自分が書いたことが形になっていくのが面白く、永遠に続けられるなぁという実感があり、「これを仕事にできたら幸せだろうな」とも感じました。
実際エンジニアになった今は、実装に苦労したり納期に追われたり大変ですが、作業自体は苦じゃありません。
これは、製造業時代には無かった感覚です。
2. プログラミングスクールで学習開始
当時は学習後、いきなりフリーランスになろうとしていました。
ただ独学だと、「このまま我流で学習しても、自分で実務が出来るようになるビジョンが見えない…」「そもそも今やっている学習方法は正しいのか?」という、勉強以外の不安があって勉強に集中できず。。。
「お金を払ってでも、スクールで基礎を教わった方が長い目で見ると上達の近道なのでは?」と考え、自己投資のつもりで思い切って決断。
評判が良く価格もリーズナブルな「デイトラ」を受けることにしました。
ちなみに値段は、当時10万円いかないくらいで、他のプログラミングスクールと比べてダントツに安かったです。今は少し値上がりしていますが、それでも他と比べて安いですね。
スクールといっても実際に教室に通うわけじゃなく、専用のマイページにログインして動画やテキスト教材を使って進めていく形式です。
ほとんどのプログラミングスクールが、こういったスタイルですね。
Web制作コースという、いわゆるホームページ作りを学ぶコースを受講しました。
学んだ言語など
- HTML:マークアップ言語
- CSS(SCSS):スタイルシート言語
- JavaScript、PHP:プログラミング言語
- WordPress:ホームページを作るツール
実際にスクールを選んだ感想としては、「大正解」。多くの卒業生がエンジニアになった実績のある教材なので「やりきりさえできればスキルが身につく」イメージができたことで、余計な心配なく学習のみに集中できるようになりました。
このデイトラを、3ヶ月くらいで卒業しました。
ちなみに当時は会社を辞めていて、ほぼ毎日8時間は勉強していたと思うので、働きながらだともうちょっとかかるかもしれません。
なぜ無職だったかというと、どうしてもIT業界に転職したかったからで、最初はブログで頑張ろうとしていました。
ただ手応えがなく、働いた分だけ報酬がも得られる、クライアントワークから始めるべきだとプログラミングに舵を切りました。
妻も子ども(3歳)もいて、かなり無茶な選択でしたが、生活費の蓄えが2年分くらいあったので思い切れた部分があります。
改めて思い返すと、応援してくれた妻には感謝です。
3. フリーランスとして自分で仕事を受注
スクール卒業後は、近場のWeb制作会社へ営業メールをして仕事を請けていました。
ホームページの問合せフォームから、自作したサイトを実績としてアピールしつつ「お仕事ください!」とメッセージを送るといった感じ。
もちろんほとんど無視で、30〜40件の内返信は10件くらい、2件が仕事に繋がったので、1割弱で仕事に繋がるイメージです。
その他、異業種交流会で知り合ったサロン経営者の方のお店のホームページ制作も受注しました。
ただ、なかなか受注が安定せず、業務に追われつつ営業などするのは精神的に辛かったので、一旦、IT企業に就職することを決意しました。
4. IT企業に就職する
片道1時間の通勤時間を目安に、近場のIT企業を中心に片っ端から応募しました。多分20件くらいだったと思います。
滋賀という地方に住んでいてそもそもIT企業が少ない地域だったものの、運良く自転車で15分くらいの近場に受かりました。
創業2年目で社員数10人いないくらいの小さな会社で、主にSES事業、これから自社のサービスを作っていこうとしている。そんな会社です。
そこでの業務内容は下記の2つ。
- 自社のスマホアプリの試作品開発
- SESでインフラ系のテスト業務
最初の6ヶ月くらいは研修期間を兼ねた自社待機みたいな感じで、スマホアプリ開発を担当。
ジャンルは、小学生未満の子どもが遊べる知育アプリです。
社内にアプリ開発経験者がいなかったので、ゼロから自分で調べて作ることに。簡単なアプリでしたが、なんとかリリースすることができました。この経験で、「頑張れば何とかなる感覚」を掴みました。
ちなみに、Unityというゲーム開発用のツールで、言語はC#。
一方のインフラ系のテスト業務では、プログラミングらしいことはほとんどしてません。
PowerShellとかコマンドプロンプトとか、プログラミング言語じゃなく、「コンピュータに特定の指示を出すためのツール」を使ったり、エクセルのマクロを少し使うくらいでした。
会社は1年で退職した
給与遅れが頻繁に続いたからです。
本来25日払いのはずが、月末払いや翌月10日払いになったり。。。振り返ると在職1年の内、半分くらいがこの状態。正直、フリーランスで収入が不安定な時期もあったので、給与が支払われるまでは不安すぎました。
「給与の不安定が原因で会社員になったのに意味ないやん…てか、このまま会社にいたらまずそう…」という不安から、色々と自分で稼ぐ方法を模索。
その中で、以前やっていた請負フリーランスでなく、準委任フリーランスという道を知ります。
安定して稼げる準委任フリーランス
主にフリーランスの契約内容は下記の様に2種類あります。
- 請負契約:納品した分だけ報酬をもらう、多くの人がイメージするフリーランス
- 準委任契約:月に決まった時間働けば報酬がもらえる、会社員に近い働き方
準委任契約の場合、例えば月に140~180時間稼働すれば、40万円報酬がもらえるといったイメージ。
フリーランスは会社員と比べて契約を切られる可能性がある分、報酬が会社員より高くなるメリットがあります。とはいえエンジニアに限っては、昨今のエンジニア不足もあり、案件はたくさんあるので路頭に迷う不安はなかったです。
しかも準委任フリーランスには、エンジニアと企業を繋いでくれる「フリーランスエージェント」というサービスがあるので、思った以上になるのは簡単。
転職や副業も視野に入れつつ、働きながらフリーランスエージェントに数件登録して「今のスキルでフリーランスになれるか」相談しました。そして意外といけそうだったので、会社を辞めてもどうにかなる手応えを感じました。
5. エージェント経由でフリーランスになる
プログラミング学習を初めて2年半、人生で初めて平均年収460万円を超えることができました。
- 契約内容:月140h~180hで月41万円(年収492万円相当)
- 業務内容:Web制作(HTML /CSS / JavaScript / PHP)
業務内容は、以前請負フリーランスでやっていたような、ホームページの制作や改修などです。
ブランクがあったので、初めの1ヶ月くらいは業務に慣れるのに大変でしたが、それ以降は特に問題ありませんでした。
請負と比べた準委任の感想は次のとおり。
- 収入が安定する
- 時間の融通が効く
- 平日も休みやすい
請負だと納品しないと収入にならないので、なかなか休めなかったり次の仕事のことを考えたり、金銭的・精神的・時間的に厳しかったのが解消されることに。
加えて、いずれは開発系の案件に進みたかったので、ReactやNext.jsといった自分が興味のある開発系の言語などの勉強をを休みの日にしていました。
というのも、フリーランスエージェントの案件は、圧倒的に開発案件が多くて単価も高く、逆にWeb制作の案件はほとんど無く単価も安かったからです。 複数のエージェントに相談した時も、「開発経験が無いから案件を紹介できない」と面談をお断りされたところもあるほど。
ちなみに、Web制作とは単純に情報を表示させるホームページを作ることで、開発系はYahoo知恵袋とかマッチングサイトといった、少し複雑な機能を持ったホームページを作るようなイメージ。
ざっくりいうと、Web制作より開発系の方が難しい分、フリーランスの案件が多いし単価も上がりやすいということですね。
ここで約10ヶ月働いた後、業務システム開発の現場に移りました。念願の開発系に進めました。
ちなみに報酬額は、月46万円と少し上がりました。
今からエンジニアを目指そうと人向けの注意点2つ
こういった体験を踏まえて、これからエンジニアになろうと思った人へのアドバイスは下記です。
- プログラミング学習は無料で始める
- プログラミング学習後は企業に就職する
それぞれ詳しく解説します。
1.プログラミング学習は無料で始める
プログラミング学習の挫折率は90%と言われており、人によって合う合わないがあるからです。
いきなりスクールに入るとスクール代が無駄になるかもしれません。スクール代は安くても10万円台~高いと50万円とかしますので、途中で挫折してしまったらこのお金も無駄になります。
プログラミング学習は働きながらだと半年はかかるはずで、そうなると楽しくないと続けられません。
そこで、まずは無料から始められるプロゲート・ドットインストールでやってみて、「なんだか楽しいな」「時間を忘れて作業していられるな」など前向きに感じられたときは、スクールにいっても挫折する可能性はほぼ無いはず。
※僕はこのパターンでした。
全てのコースを受けるには有料ですが、ひと月1,500円くらいなのでプログラミングスクールと比べたらめちゃくちゃ安いです。
もちろん、そのまま独学でもいけそうなら無理にスクールに通う必要はありません。ちなみに、スキルが身についた基準は、「ゼロから自分でWebサイトやWebアプリなどを作れるようになったら」です。
たとえば僕の場合、Web制作コースを受講していたので、「HTML/CSS(SCSS)/JavaScriptでWebサイトが作れる」「WordPressのテーマがPHPで作れる」といったレベル。その状態でWeb制作会社に営業して案件受注していました。
後は業務をこなしていけば、スキルは勝手に上がっていきます。

2.プログラミング学習後は企業に就職する
プログラミング学習後、いきなりフリーランスになろうとする人がいますが、これは避けたほうが無難。未経験のIT業界で相談できる人もいなくて、仕事の要領も分からないのは肉体的にも精神的にも大変です。
就職すれば、仕事の取り方~納品までの流れがある程度わかってくるし、IT業界内の雰囲気にも慣れることができます。
個人的に感じたこと
それまでエンジニアという人たちは、もれなくすごい人たちの集まりだと思っていましたが、そうでもなかったです。
もちろんすごい人はいますが、みんながみんなそうじゃない。冷静に考えれば一般企業にも言えることですが、「これはエンジニアも同じなんだなぁ」と実感できました。
こういう感覚をもてたことで、「自分でも頑張れば大丈夫」という自信にもなりました。
人それぞれ感じることは違うと思いますが、業界内の雰囲気とか仕事のやり方とか、把握するためにまずは就職するのがいいですね。
これから未経験の方がエンジニアになって平均年収以上を狙うなら
- プログラミング学習
- IT企業へ就職する
- 年収アップを目指す
今から僕が未経験でエンジニアになって年収アップを狙うなら上記の手順を踏みます。
「3.年収アップを目指す」という部分について、僕はフリーランスになりましたが、昇給できるならそのまま会社で頑張るでもいいし、別のIT企業に転職して年収アップを狙うのもありですね。
※エンジニア業界は転職した方が年収が上げやすいという雰囲気があります。
少なくとも製造業に比べると、ITエンジニアは年収が上げやすいです。
なので、まずは企業に就職してある程度経験を積んだ後、その時の自分の状況に応じて行動すれば良いでしょう。
この手順を踏めば、IT転職してから2~3年もあれば十分達成できるはず。
「2~3年はちょっと長いなぁ…」と感じるかもしれません。しかし、「今の年収に不満がある…かといって何をしたらいいか分からない…」と悩んでいるなら、ダメ元でチャレンジするのもアリじゃないでしょうか。
