- 製造業で働いているけど、独立できるイメージが全然わかないなぁ
- 仕事を辞めてフリーランスになりたいけど、製造業じゃ無理なのかな?
- というか、自分には市場価値がないから無理なんじゃないか…と感じてしまう
こういった疑問にお答えします。
僕は元々新卒から製造業で10年以上働いていましたが、37歳でITエンジニアに転職し、現在はフリーランスエンジニアをしており、業界歴は5年目です。
そもそも、新卒から製造業に就職した理由は、「何となく手に職がついて将来独立できそうだから」という漠然としたイメージがあったからです。ただ働いていても、独立できるイメージがまったく湧きませんでした。
しかし、ITエンジニアに転職してからは、独立のイメージが明確に湧き、実際に独立もできました。
では、なぜ製造業では独立のイメージが湧かず、ITエンジニアなら独立できたのか。実体験を元に、その理由を解説します。
先に結論を言うと、独立できないのは、あなたの努力不足や才能の問題ではなく、業界構造の違いによるものが大きいです。
僕が製造業では独立がイメージできず、ITエンジニアならできた理由
製造業で独立のイメージが湧かない主な理由は、次の3つです。
- 仕事の価値が「個人」でなく「設備や組織」に紐づいている
- 業務が細かく分業されているため、全体像を把握しにくい
- 独立するには設備や土地など、初期費用が大きすぎる
分かりやすいように、ITエンジニアと比較しながら解説します。
仕事の価値が「個人」でなく「設備や組織」に紐づいている
一番の違いは、「仕事の価値がどこに集まっているか」です。
製造業では、製品の品質や生産性を支えているのは、人の工夫や改善もありますが、最終的には大型の設備や工場、資本力による部分が非常に大きいです。
例えばトヨタの車づくりも、個人の職人技だけで成り立っているわけではなく、長年かけて改善されてきた生産ラインや設備、蓄積されたノウハウがあってこそです。
仮に、製造業で独立しようとすると、同じような設備や工場を用意しないといけません。個人のスキルや経験だけでは、なかなか勝負できないのが現実です。
一方、ITエンジニアの仕事は、個人のスキルや経験そのものが価値になります。極論、パソコン1台あれば、会社員でもフリーランスでも同じように仕事ができますので。
言うならば、美容師と一緒です。通っている美容室の設備や立地も大切ですが、最終的には「その美容師さんに切ってもらいたい」という個人の価値が大きいですよね。
この、「価値が設備や組織に紐づいているか、人に紐づいているか」の違いが、独立のイメージのしやすさに大きく影響しています。
業務が細かく分業されているため、全体像を把握しにくい
製造業では、仕事が細かく分業されていて、個人が担当する範囲が限定されがちです。
例えば、現場作業者だと、「どうやって仕事を受注するのか」「いくらで売っているのか」「誰が顧客と交渉しているのか」といった部分に関与しないことも多いです。結果的に、何をしているのか見えにくく、ブラックボックス化している工程が多くなりがちです。
この状態だと、独立に必要な「誰から仕事をもらい、何を提供し、いくらで、どう納品するか」が想像しづらく、「じゃあ独立したら何から始めればいいの?」と、なりますよね。
一方で、同じく分業はあるものの、ITエンジニアは、全体像が比較的見えやすいです。
僕が以前、ホームページ制作の会社で働いていたときは、10人ほどの部署で、「受注 → 制作 → 納品 → 運用」までの流れが自然と見える環境でした。全員が同じデスクで作業していたので、他の人が何をしているのか把握しやすく、「独立したら自分はどうすればいいか」もイメージしやすかったです。小規模なIT企業やスタートアップだと、こういうケースは多いはず。
もちろん、小さな町工場であれば、製造業でも全体像が見えやすいと思います。ただ、前述の通り、独立となると設備や工場などのハードルが一気に上がるので、ITエンジニアほど独立のイメージは湧きにくいと感じます。
ITエンジニアだと、周りも独立している人が多い
さらに大きいのは、「周りに独立している人が多い環境で働ける」ので参考にできるし、現実味が出てくることです。
例えば、僕が現在働いているチームは、「リーダー(会社員1人)・設計者(フリーランス2人)・開発者(会社員2人、フリーランス1人)」という構成。
チームの半数がフリーランスですが、こういったことは珍しくなく、日常的に独立して働くイメージが身近にあります。だから、「自分にもできそう」と身近に感じやすく、独立のイメージがしやすいです。なんなら、直接アドバイスをもらうこともできますし。
逆に、製造業だと独立している人が身近に少なく(というか、僕は見たことがない)、独立に対する現実味も湧きにくいです。
独立するには設備や土地など、初期費用が大きすぎる
製造業で独立しようとすると、どうしても「設備・場所・在庫・人」にお金がかかります。
例えば、「工場、機械、材料、人材」など、初期費用が最低でも数百万円、場合によっては、1,000万円以上かかることもあり得ます。なので、借金しないと独立できないケースも少なくありません。
これは、独立の難しさが、スキル以前に資本金(初期費用)で決まりやすいということです。
一方、ITエンジニアの独立は、パソコンとネット環境があれば始められるので、初期費用は数万円〜数十万円程度で済みます。実際、僕が仕事で使っているのは、WindowsのノートPC(65,000円ほど)と、光回線(月額3,000円ほど)、AIサービス2つ(月額4,500円ほど)くらい。リモートワークは自宅でしているので、新たに場所を借りる必要もありません。
この「初期費用の低さ」は、独立をより身近に感じられる大きな要素です。
製造業からITエンジニアとして独立するのはイージーです
この場合のイージーとは、「勉強が不要」とか「誰でも簡単にすぐ稼げる」という意味ではありません。そのまま製造業で独立するのと比べると、ITエンジニアになってから独立するのは構造的にイージーということです。
理由は次の3点です。
- 働きながらでもスキルを身につけられる
- スキルさえあればIT未経験でも転職できる
- 市場に案件が多く、独立しやすい業種だから
ITエンジニアになるには、プログラミング学習が必須ですが、今の仕事を続けたままでもネット環境とパソコンがあればそのまま学習できます。
また、ITエンジニアはスキルさえあれば未経験からでも転職しやすい業種です。実際に僕は37歳で未経験から転職できましたし、同じように製造業から転職した人を何人も知っています。
製造業の転職だと、特に30代後半にもなると経歴や転職回数といった、過去を重視される印象が強く、今から年収を上げるために転職するのは難しいと感じていました。そういった意味では、エンジニア転職の方が希望が持てます。
さらに、ITエンジニアは独立しやすい環境が整っています。独立する例としては、こんなパターンが多いですね。
- 会社に貢献して信頼を貯める → 個人事業主として同じ仕事を業務委託で受注する
- 会社員として2〜3年実務経験を積む → フリーランスになって同じ領域の案件に参画する
- 会社員のうちに副業で小さく受注する → 副業収入が本業収入を安定して超えたら独立する
こういったことができるのも、仕事が会社の設備や組織ではなく、個人のスキルや経験に紐づいているからです。
製造業とITエンジニアの仕事内容は似ている
今から学習して転職は大変そうに感じるかもしれませんが、製造業とITエンジニアの仕事内容は似ている部分が多いです。どちらも、同じ「ものづくり」の一種なので、仕事の進め方(工程)がほぼ同じです。
例えば、一般的なITエンジニアの開発業務は、以下の流れになります。
- 要件定義(何を作るか決める)
- 設計(どう作るか決める)
- 実装(実際に作る)
- テスト(ちゃんと動くか確認する)
この流れは、製造業でも同じですよね。
製造業の経験が活きるという意味もありますが、何より「ものづくりがしたくて製造業に入った人」なら、「自分で何かを作ること」に興味があるはずで、それが学習へのモチベーションになります。
一般的に、「プログラミング挫折率は90%以上」と言われていますが、正直、僕は学習がつらいと思ったことはほぼありませんでした。(なので、学習のモチベーション管理など、あまりピンとこないです。)
自分で何かを作るというのは単純に楽しいし、「これが将来の夢だった独立に繋がる」と思ったら、自然と学習が進むからです。
こういった理由から、製造業出身者がITエンジニアを目指すのは、他の業界の人よりも向いているんじゃないかと思っています。
製造業からITエンジニアとして独立する王道の4ステップ
では、製造業からITエンジニアとして独立するには、どうすればいいのか? 王道かつ一番再現性が高いルートは、以下の通りです。
- プログラミング学習をする
- ITエンジニアに転職する
- 実務経験を2~3年積んで独立する
それぞれ、具体的に解説します。
1. プログラミング学習をする
まずは、ITエンジニアとしての基礎スキルを身につけるために、プログラミング学習をします。学習方法は人それぞれですが、独学、プログラミングスクールなどがあります。
僕は独学を始めて2週間くらいで学習の方向性に迷ったので、スクールに切り替えました。スクールは独学よりも費用がかかる分、学習のロードマップがしっかりしているので、時間のない社会人には合っています。
具体的な学習方法については、「現役エンジニアが教えるプログラミング学習の始め方3ステップで解説」でまとめているので、参考にしてください。

2. ITエンジニアに転職する
独立に近づく最大の近道は、「会社員として生活費を確保しながら、実務経験を積むこと」です。
「会社を利用してスキルを身につけるとか、なんだか悪いな…」と思うかもしれませんが、スキルアップの意識を持って業務に取り組むことで、結果的に会社へ貢献することになり、利益に繋がります。自分にとっても会社にとってもプラスなので、むしろガンガン経験を取りに行くべきです。
実務でしか身につかないものは、「レビュー、設計、チーム開発、障害対応、顧客との調整」などなど、山ほどあります。
特に、先輩や上司の作業を身近で見るのは、かなり勉強になります。僕も、他のエンジニアの作業を横で見たり聞いたりして、「こんなやり方があるんだ!」と、ちょっとした小技やテクニックをたくさん吸収してきました。
最初の転職先は、「リモートワークができる」「給与が高い」といった条件よりも、「良い実務経験が積める環境かどうか」を優先するのがおすすめです。
あくまで独立がゴールなので、最初の2~3年は修行期間と思い、目先の待遇に惑わされないようにするのが吉ですね。具体的な転職方法やコツは、「➤ (現在作成中)S5-02【経験談】製造業からITエンジニアになる3つの方法と難易度を下げる3つのコツ」で詳しく解説しています。
3. 実務経験を2~3年積んで独立する
実務経験が2~3年あれば、フリーランスとして独立するのは簡単です。
フリーランスエージェントという仲介サービスを使えば、スキルに見合った案件を紹介してもらえますが、その基準となるのが、実務経験2~3年だからです。
もちろん、エージェントを使わず自分で営業して案件を取ることもできますが、いきなり自分で営業するのはハードルが高いと思います。営業はもちろん、契約関係の書類業務も外注して手間を省いていると考えると、悪くないのかなと。
きちんとした実務経験があれば、あとは普通にしていればエージェント経由で案件を獲得できますが、心配な人は、会社に在籍中にエージェントに問い合わせて相談すると安心です。
実際に僕も会社員時代はエージェントに相談し、なんとかなりそうだと判断できた後、退職して独立しました。
なお、失敗しないフリーランスエージェントの使い方については、「➤ (現在作成中)S6-16 フリーランスエージェントをうまく使うコツ」で詳しく解説しています。
製造業で独立できないのはあなたの能力のせいじゃない
製造業で独立のイメージが湧かないのは、あなたの努力不足や才能の問題じゃなく、業界の構造が原因です。
実際、僕がエンジニアになる直前に働いていた製造業の現場では、年収は新卒並みで、誰でもできるような単純作業をしていました。当時30代後半で、「自分の能力は平均以下だな…」と絶望する日々。それでも、エンジニアに転職してから、たった3年足らずで独立して生活できるようになりました。これは、僕の能力が急に上がったわけじゃなく、「個人のスキルが評価されやすい業界に移っただけ」でしかありません。
もし今、製造業で独立できるイメージが湧かないなら、ITエンジニアとして独立する道を選ぶという考え方もアリです。いきなり今の仕事を辞める必要はなく、働きながら学習を始めれば、リスクゼロですので。
無料で始められる学習サイトもたくさんあるので、まずは気軽に試してみてください。 最後にもう一度、プログラミング学習の方法をまとめた記事のリンクを貼っておきます。
