- 30代未経験からITエンジニアになると、年収はどれくらい上がるものだろう。
- スキル次第で給与も上げやすいとか聞くけど、30代からじゃ遅いんじゃないかな。
- 転職した人のリアルな年収推移を、具体的な数字で知りたいです。
こんな不安や疑問が過去の僕にもありました。
僕は37歳の時にプログラミング学習を開始し、その年にWebサイトを制作するエンジニアとしてIT業界に転職しました。それまでは、新卒から製造業や電気工事業といった畑違いの業界でした。
現在はIT歴5年目、業務システム開発(Angular / Ruby on Rails / SQL)のフリーランスエンジニアとして活動しています。
こういった背景から、30代未経験で製造業からITエンジニアに転職した約5年間の年収推移を実際の給与明細や注文書などと共にリアルに紹介します。
この記事を読むことで、「ITエンジニアに興味があるけど、未経験だし年齢的に給与がどうなるか気になる」という疑問を解消し、挑戦の一歩を踏み出しやすくなるはず。
結論、「年収30万円」→「年収288万円」→「年収444万円」→「年収588万円」と上げていくことができました。
30代未経験で製造業からITエンジニアになった年収推移(給与明細も公開)

年収推移は上図の通りですが、時系列順に紹介していきます。
Web制作フリーランス時代:年収30万円
プログラミング学習後、企業へ転職ではなくフリーランスとして約1年ちょっと活動していました。
仕事はWeb制作会社からの下請業務や、店舗のWebサイトを制作するといったものです。
当時はIT業界が初めてな上、エンジニア仲間もいなかったので相談する人もおらず、業務内容はもちろん精神的にもかなり大変でした。
仕事が入る月もあれば、まったく入らない月もあり、年間でまとめると30万円ほど。。。

独身ならまだしも結婚して子供が2人いましたので、生活なんてとてもできません。
またIT業界や業務に不慣れなのもありますが、サイト制作をしながらお客さんとの打合せや営業をするのは精神的にもとてもハードでした。
些細なことを確認する時でも、「こんなこと聞いても大丈夫かな…」「聞き方に変なところはないかな…」など、たった数行の文でも30分くらい悩んでいたこともありましたので。
こうした収入面の不安と精神的なストレスが大きくなり、会社員として企業への転職活動を開始しました。
正社員時代:月24万円(年収288万円)
転職活動は経験不足のため書類選考で落とされることも多く苦労しましたが、何とか地元のIT企業に転職できました。
この時点で、経験もある程度評価されて月24万円で手取りは20万ちょっとでした。

決して高くはないものの、仕事を取るために営業したりお客さんと連絡を取り合ったりの気苦労もなくこれだけいただけるのはむしろありがたいと感じていました。
自分の力だけで仕事を取って報酬をいただく苦労を知ると、月24万を稼ぐのがどれだけ大変なことなのか実感できるんですよね。
ただ度重なる給与遅れや会社の対応に不信感を抱き、1年ちょっとで退職することになりました。
準委任フリーランス時代:月37万(年収444万円)
約1年間の会社員を経て、再びフリーランスに転向します。
「前に収入の不満で失敗したのに、なぜまたフリーランス?」
こう思われそうですが、前回は請負契約で、今回は準委任契約です。
請負契約は成果物を納めないと報酬をもらえませんが、準委任契約は月の労働時間が140〜180時間に収まっていれば決まった報酬額が支払われるという契約です。
9:00~18:00といった具合に毎日決まった時間帯に作業をするので、働き方のイメージとしては会社員と同じです。
フリーランスエージェント経由で案件を受注し、月37万(税別)の案件に参画できることになりました。

年収に直すと444万円なので、悪くありません。
こういった経緯で、転職から3年ほどで月37万まで到達できました。
直近の製造業時代は年収300万円もなかったので、正直あのまま製造業をやってたら、ここまで伸ばせてなかったでしょう。
準委任フリーランス(現在):月49万(年収588万円)
月37万の案件を9ヶ月こなしたあと、より高単価の案件に乗り換えました。
参画時は月48万でしたが、2年後に49万に上がっています。

現在はAngular / Ruby on Rails / SQL を使った業務システム開発に携わっています。
Web制作からWeb開発になったことで、使う技術がゴロッと変わりました。
最初はキャッチアップに苦労するかと思いましたが、事前に使用技術の勉強をしていたおかげか、意外とスムーズに移行できました。
月49万(年収588万円) は、製造業時代(年収264万円)のおよそ2.2倍。
転職してすぐに上がったわけではなく、最初のWeb制作フリーランス時代(年収30万)から5年かけて段階的に上がってきた結果です。当時は絶望していましたが、今となってはエンジニアを続けてよかったと思っています。
補足:フリーランスは節税手段が増える
「フリーランスは税金が増えるから正社員の2倍稼がないとダメ」
こんな話をよく聞きますが、そんなことはありません。正しく税金の知識をつけて節税すれば、正社員よりも手元にお金が残しやすくなります。
税金と聞くと難しく感じるかもしれませんが、気になることを2時間くらい調べていればフリーランスとして活動するための知識くらいは身につきます。
それまで「税金…?社会保険…??よく分かんないから会社に丸投げしたい…」と思っていたのが、今では内容を理解して納得して支払えているので、こちらの方が自分には合っていると思っています。
製造業からITエンジニアになって年収が上がった3つの理由
僕なりに分析した結果は下記の3点。
- スキル重視の業界だから
- 業界の平均年収が高いから
- フリーランスになったから
それぞれ解説します。
スキル重視の業界だから
僕のスキルが特別高いというわけじゃなく、企業が求める一定のレベルに達していれば、転職回数はあまり気にされないという意味です。
37歳の時点で5回ほど転職していたので、それまでの面接ではほぼ100%転職理由を聞かれましたし、転職回数を理由に書類選考で落とされたこともありました。
ただ振り返ると、IT業界に来てから転職回数を聞かれたことは1度もありません。
その代わり、「何ができるのか」「どんなものを作った経験があるのか」は必ず聞かれました。
IT業界では収入アップやスキルアップのための転職が当たり前という風潮もあるようで、スキルや経験さえあれば転職回数は不利になりにくく、年収も上げやすいです。
IT業界の平均年収が高いから
年収が決まる大きな要因の1つが、「どの業界で働くか」です。
仮にあなたが平均的な成果を上げる人材だとしたら、年収もその業界の平均年収に近づきます。
業界の平均年収ランキングは下記の通り。
「製造業(メーカー)」は2位で「IT/通信」は4位。製造業の方が高いと一瞬感じるかもしれませんが、会社の規模によって大きく異なります。
例えば、僕の前職は全社員数十人の中小企業だったので、製造業でしたが30代後半で年収300万円未満。昇給も年2~3千円程度で、平均とは程遠い水準でした。
一方でITエンジニアは働き方の選択肢が広く、SESといって予算に余裕のある大手企業に常駐して開発する形も選べます。収入が上がりやすい理由の一つです。
IT業界は世界的にも伸びている分野で、昨今のエンジニア不足とも相まって、年収を上げやすい傾向が続いています。
フリーランスになったから
日本だと企業は正社員を簡単にクビにできないので、給与が社員に還元されにくくなります。
例えば「本当は40万円払えるけど、20万円しか払わない」といったことが起きます。
会社にある程度キャッシュをストックしておかないと、何かあった時に資金繰りがショートして最悪倒産も考えられるので、仕方のないことです。
一方でフリーランスを雇った場合、「あるプロジェクトの1年間だけ雇って期間が来たら即契約を切る」といったことができます。
仮にそのフリーランスが全然使えなかった場合、「次の契約更新を止めて別の人を雇う」ということも可能。
企業は余計な人件費を払わなくても良いので、会社員と比べてフリーランスへ高い報酬を支払えます。
フリーランスは不安定だという神話
ITエンジニアに限っては、フリーランスでも収入が途切れるといった不安定さは考えにくいです。
IPA(経済産業省のIT政策実施機関)の調査によると、日本企業でDX人材が「大幅に不足している」と回答した企業は2021年度の30.6%から2023年度には62.1%へと倍増しており、エンジニア不足は加速しています。

例えば案件によっては、こちらから言い出さない限り半永久的に契約更新され続けるケースもあるくらいです。
たとえ契約が終了しても、経験年数が2〜3年あれば1ヶ月以上仕事が見つからないことはほとんどないはず。実際、20年以上フリーランスをしている方に聞いたところ、案件が途切れた時期はないと言っていました。
にも関わらず、報酬は上がりやすいので、ローリスク・ハイリターンという現実世界のバグのようなことが起きています。
製造業からITエンジニアに転職するときの注意点
転職すれば年収が上がっていくのは事実ですが、最初からうまくいくわけではありません。
実際の僕の経験談をもとに注意点を3つ紹介します。
最初の1〜2年はそれほど年収は上がらない
未経験の業界に転職していきなり年収が上がるということはほとんどありません。入る会社や地域にもよりますが、年収300万円ぐらいを目安にしておけばいいと思います。実際、僕が地方のIT企業に正社員で入った時も年収300万弱でした。
逆に言うと、今の収入がこれくらいの人は、そこまでダメージは少ないはず。
最初の1〜2年は実績を作る期間と割り切り、勤務時間やリモートワークなど労働条件も多少我慢した方がいいです。まともな開発経験を2〜3年積めれば、あとは転職やフリーランス転向で年収は上げやすくなっていきますので。
スクールでも独学の姿勢は必須
プログラミングの学習方法として独学とスクールがありますが、スクールを選んでも自分で学ぶ姿勢がないと意味がありません。塾に行っても全員が志望校に受かるわけではないのと同じで、自分なりに工夫して勉強することが必要ですので。
スクールでは教材は用意されていますが、疑問に思ったことはどんどん自分で試して解決していく。この姿勢がないと、スクールに通っても伸び悩みます。
それに、エンジニアになった後も「分からない箇所は自分で調べて実装する」という場面が続くので、独学で問題を解決する習慣は早めに身につけておいた方がいいですね。
独学の方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。

スクールを検討している方は、別の記事でおすすめスクールを紹介しています。
➤ (作成中)S4-17 おすすめプログラミングスクール
ポートフォリオなしで応募しない
ポートフォリオとは、自分で作ったWebサイトやWebアプリのことです。エンジニアは技術職なので、スキルを証明するものがないと書類選考でほぼ落とされます。
最低でも1つ作ってから応募する方が、面接まで進める確率がぐっと上がります。
僕自身、Web制作から開発系の現場に移行するときに、自作のWebアプリをポートフォリオとして使いました。「何が作れるか」を言葉で説明するより、見せた方が早いです。
30代製造業未経験でもITエンジニアになったら年収は上がる
IT業界は未経験でも比較的年収を上げやすい業界です。
30代ともなると即戦力が求められるので、最初にスキルを身につける必要はありますが、そこさえ乗り越えれば年収は段階的に上げやすくなります。
正直、製造業から転職して5年、後悔したことはありませんでした。
動き出した日が、一番早い。
まずはProgateなどの無料学習サイトを、1時間触ってみるところから始めてみてください。

